ご挨拶

第43回日本川崎病学会・学術集会
会長  津田 悦子
国立循環器病研究センター

第43回日本川崎病学会・学術集会を開催させていただくことになりました。国立循環器病研究センターが日本川崎病学会の学術集会を開催させていただきますのは、1986年(昭和61年)故神谷哲郎先生(旧国立循環器病センター初代小児科部長)による千里読売文化センターでの第6回開催、第7回開催北村惣一郎先生(当時奈良県立医科大学、国立循環器病研究センター名誉総長)以来となります。

当時、川崎病流行期の患者さんはすでに50歳前後に達しました。この間、川崎病に関する見識はどの程度進歩したのでしょうか。諸先輩の川崎病黎明期の驚くような発見の数々とその後の進歩、この半世紀、科学・医学の社会への貢献は目覚しいものがあります。IT・デジタルの超加速度的普及で、昭和の時代は遠くなりました。時代の変遷とともに、社会の医療に対する考え方も変わってきました。COVID-19の流行は、さらに社会を大きく変えつつあります。

1970年開催の日本万国博覧会跡地に建てられました旧国立循環器病センターは解体され、国立循環器病研究センターは、2019年北大阪健康医療都市『健都』岸部の地に移転しました。時代は移り、2025年の万国博覧会を迎えようとしています。人間の生命の儚さを痛感します。『太陽の塔』は、何を見てきたでしょうか。『人類の進歩と調和』でしょうか。

『時代を超えて、予後を見据えて』川崎病について皆様と議論できることを楽しみにしております。大阪での開催は、第26回開催故荻野先生以来(関西医科大学)の17年ぶりとなります。是非、大阪の地へご足労ください。

2023年2月